薬物動態学教室へようこそ!
薬物の体内動態は主に吸収 (A: Absorption), 分布 (D: Distribution), 代謝 (M: Metabolism), および排泄 (E: Excretion) によっ て決定される。そのため、疾患ごとのADMEの変動を把握した薬物療法は重要課題である。
ご挨拶
薬物動態学教室では富田幹雄教授を中心に森本かおり講師、石井敬講師、大学院生の守政彦が研究を行っています。
※本ホームページは守の研究活動を発信するために運営しています。教員について知りたい場合は東北医科薬科大学ホームページ研究室案内【薬学部】薬物動態学教室をご覧ください。
研究内容
炎症性腸疾患(IBD; inflammatory bowel disease)はクローン病 (CD; crohn’s disease)と潰瘍性大腸炎 (UC; ulcerative colitis)に大別される。CDの炎症が消化管全般に渡るのに対して、UCは大腸に特化した炎症所見を示す。しかしながら、UC患者において空腸粘膜に組織病理学的変化が認められた報告、また、大腸粘膜が治癒しているにも関わらず、症状のある患者において回腸粘膜バリア機能低下に伴う透過性亢進が認められた報告もなされている。またUC患者の栄養状態が著しく不良である臨床所見も呈されている。本研究室ではこれこれまでにデキストラン硫酸ナトリウム(DSS; dextran sulfate sodium)誘発性UCラットを用いて、消化管粘膜上皮細胞間Tight Junction(TJ)開口の指標となる膜抵抗値の低下に伴う水溶性物質の透過性亢進が回腸に比べて空腸において顕著であるという部位差を明らかにしている。しかし、これまでのDSS自由飲水によるUCモデル動物での検討がUC患者の消化管上部における吸収動態解析に適しているとは言い難い。そこで、本研究では投与部位と疾患部位を一致させ、多臓器への影響を排除した病態モデルの作製に取り組む。